長さ-張力曲線を理解しよう!!
少なからず聞いたことがあるでしょう。
「長さー張力曲線」
よくみますよね。この図。
生理学の教科書とか…
まずは、この図の意味から説明して
これがどう臨床に生かされるのか
ご説明いたします!!!
長さー張力曲線を簡単に説明すると
自動的な力と他動的張力の総和のこと。
自動的張力は筋が働くことにより産生されます。
自動的な力の大きさは、その瞬間の
アクチンとミオシンの重なりに由来する
筋繊維の長さに影響を受けます。
そのため、アクチンとミオシンの
重なっている部分が多いと
筋繊維自体は短くなります。
逆に、重なっている部分が少ないと
筋繊維は延長している状態と言えます。
自動的な力を最大にする長さは
筋が短すぎず、伸びすぎていないところ。
つまり、静止長の長さなのです。
では、他動的張力とは…
関節の伸展による筋のストレッチで
腱や結合組織の両方を伸張し
筋に弦のような抵抗や硬さが生み出されます。
この抵抗のことを他動的張力と言われます。
これはゴムを伸ばした時と似ています。
この図のゴムを持っている端の手と口の距離が
近ければ近いほどゴムは緩みますね。
ゴムを伸ばせば伸ばすほど抵抗感を感じます。
この抵抗感が張力ですね。
限界まで引っ張って引っ張って
お互いに手も口も離さずにいると
最終的にはゴムがちぎれます。
これが筋断裂仕組みです。
(ちょこっと話が脱線しちゃいました。笑)
自動的な力と他動的張力の組み合わせによって
広い範囲の筋長にわたって筋力の発揮が
可能となります!!
もう一度図を見て確認してみましょう。
静止長より短く、かつ他動的張力を
発生させる長さより短いaでは、
自動的な張力で筋力を発生させます。
したがって、筋が静止長まで長くなると
力は急速に上昇します。
そして、筋繊維が伸張されて静止長を超えると
他動的張力が加わり始めます。
それによって、自動的な張力の減衰は
他動的張力の増加によって補われて
全長さー張力曲線は結果的にフラットになります。
この長さー張力曲線の特徴により、筋は
自動的な力が減衰する時点まで伸張されても
高い張力を維持することができるのです。
では少し具体例を紹介します。
この図を見ると、左の骨盤が
右と比べて少し上にありますよね?
ずーっとこの姿勢をしていると
中臀筋は左は伸ばされていて
右は縮んでいることがイメージできますか?
そうすると左右で静止長が変わっていきますよね。
左の中臀筋は最初から伸ばされているため
短縮位になると使いにくくなります。
これも長さー張力曲線で説明ができますね。
患者の姿勢をしっかり観察し
どこの筋肉が長いのか短いのか
それによって筋力低下があるのか
ないのか想像できます。
これが考えられるようになれば
評価の時間も短くなります。
まずは、長さー張力曲線を
理解していきましょう!!!