ウォルフの法則とは
前回に引き続き、今回も「骨」に
着目して話をしていきたいと思います。
「ウォルフの法則」について
→骨は加わる力に抵抗するのに
最も適した構造を発達させる。
とざっくり定義されています。
骨はとても特別な組織であり、
外力との反応や筋力などと関連して
その形状や密度を常につくり変えています。
例えば、椎間板は悪化したり
脱水したりするとストレスから
骨を守ることができなくなります。
骨は「刺激」が過度の場合に増殖します。
ときおり、骨の増殖は動きを阻害し
脊髄神経根を圧迫し下肢に放散痛を引き起こしたり
関連する筋肉の出力を弱化させます。
またウォルフの法則は、慢性的に負荷を
与えない場合に起こりうる骨萎縮と
筋力低下の説明を容易にします。
例えば、脊髄損傷患者における骨ミネラル密度は
急速に低下しますが、おそらく神経麻痺による
骨の喪失が引き起こされています。
この画像は頸椎または胸椎の損傷の患者さんです。
この患者であれば、麻痺により下肢筋の収縮は乏しく
荷重刺激も入らないため徐々に骨萎縮を起こしていきます。
このような状態になると、骨密度が低下するため
骨折を起こしやすくもなります。
お風呂や椅子に乗り移る時に
車椅子からの転倒が原因で骨折を起こしたり、
ROM中に骨折が起こったりします。
一般的にはこのような現象のことを
廃用症候群と言います。
これを説明する大元には
「ウォルフの法則」という法則があることを
覚えておいてください。
今後は、刺激の量・質に合わせて
骨の構造も変化していくことを考慮し
ROMや訓練など実施していく必要があるでしょう!